ハイキュー!!無料分読んだ感想書きました
はじめに
注)この記事は地方大会編までの感想記事です。
記事を上げた現在(4/10)ジャンプ+というアプリで「ハイキュー!!」が28巻分無料という、大変ありがたいキャンペーンをやっていたので、読んできました。
で、せっかくだから面白かったところを文章にまとめようと思いました。
ありがたいキャンペーンに対する感謝もあるけれど、なんといっても作品が面白かったので。この余韻をなにかしらの形にしたいなと思って記事にしました。
ただ、キリの良い地方大会編までの感想です!
地方大会以降の話を読んでない人の感想…という感じの想定で、なにとぞよろしくお願いします。
それから、この感想記事は面白かったところを3つに分ける形で書いています。
よければおつきあいくださいませ。
1.王道から逃げない潔さ
ハイキュー!!の一番の魅力というか、私が考えるこの漫画のキモは「王道から逃げない潔さ」じゃないかと。
読み終わってから改めて振り返ると、どこにも疑問や引っかかりを感じないというか、予想した通りに展開が進んでいた気がします。
バラバラになっていたメンバーが少しづつ集まり、主人公を含めた天才たちがいて、さらにしっかりした努力家もいて、必殺技(変人速攻)を出したり、それだけでは足りなくて敗北し、そしてその敗北から成長し、最後には巨大な王者を倒し勝利!
まあ、ものすごくシンプルですよね。何の捻りもない、ド直球のストレートです。ある意味少年漫画そのものといえばそうなんですが。
出てくる相手校のキャラも「こういうポジション、あるある!」って感じることがけっこうあったように思います。
特に及川や牛島あたりは、ニヤニヤするほど「お約束」なポジションと思いました。
ハイキュー!!は、そういった気持ちのいい、予想通りの「王道」が徹底されていたように思います。
予想を外さないということは、すなわち「期待通り」なわけで、本当にありがたいし面白い。
実際のところはどうなのか分かりませんけど、ハイキュー!!はものすごくシステマチックに作られているか、あるいはブレないことが一つのテーマにされていたのではないかとすら思いました。
あとはある意味大事なことですけど、スポーツ系能力バトルじゃなかった。
能力バトルもそれはそれで面白いんですけど、その時点でスポーツの王道からは外れてしまうというか、スポーツじゃない何かになってしまうので…
2.魅力的なキャラクターたち
なんだかんだ言って、この部分が強かろうと思います。
王道は王道だけだと退屈にもなりますが、キャラクターが新しく魅力的なら、ストーリーが王道なのは最高です。
実は私がハイキュー!!を初めて意識したのは、とあるブラウザゲームの絵師の方がハイキュー!!にお熱な腐の民だと知ったときなんですよね。
熱心な腐の方々がいらっしゃるのも分かるほど、ハイキュー!!のキャラクターは魅力に溢れていました。
それも単にそういった腐の方々に媚びてるってわけじゃなく、ちゃんと少年たちにもウケるような爽やかなキャラたち(に見える)。
そしてそんなキャラたちが色んなコマで一人一人個性を見せてくれるのが楽しいし、めちゃくちゃ生き生きしているのを感じる。楽しい。
そういった姿を見ていると、「たぶんこいつらバレーしなくても面白いな」と思いました。
本当に面白いキャラ(と関係性)だし、そういったキャラたちなら何をやらせても確実に面白くなる。
パロディでもBLでも、二次創作が捗るんだろうなぁと率直に思いました。
あと個人的に嬉しかったのは、月島が(少なくとも無料分まで)ずっと嫌味なキャラのままいてくれたことですね。覚醒や成長するのとは別に。
だいたいチームスポーツになると、こういうキャラってなにかしらデレるというか、丸められがちじゃないですか。和を乱すとか何とかで。
ハイキュー!!は月島に限らず、そういった一見和を乱しそうなキャラも上手く生き生きさせているのがスバラシイと思いました。キャラ愛!
3.無駄なリアリティを挟まない
前述の1と2にも通じる話ですが、ハイキュー!!はとにかく無駄なリアリティを挟まないのが最高だと思います。
無駄なリアリティとは、言うなれば「そんなこと現実にはない」というつまらない発想です。
一年生は所詮一年生とか、天才はそんなにいないとか、天才も実力を発揮できないことがあるとか、県内に全国レベルのエースなんてそうそういないとか、部内での喧嘩や悲劇は簡単に忘れられないとか、卑屈なやつはいつまでも前を向けないとか…
そういった、作者や編集者の下心が透けて見えるような「無駄なリアリティ」がハイキュー!!には無いと思いました。
主人公のチームに天才は揃ってるし、そして強いやつは当然強いし、衝突があっても無駄に引きずらない。すばらしい。
また、ハイキュー!!は基本的に「練習」と「試合」しか描いていないように思います。
そして、試合外で(悪口や妨害工作なんかで)足を引っ張られたりってことがない。
面白くないスポ根にありがちな、変な現実感に囚われたような場外戦が無い。とても安心感があります。
あとはどうしようもない怪我をしないってところもポイントが高いです。手負いの天才もいないし。
作者の都合でハンデを作るようなくだらない怪我はしないし、たとえ試合中に怪我をしても、ちゃんと試合中に戻ってくる。
正直、怪我と向き合う現実の辛さとか、わざわざこういう漫画で読みたくはないです。読みたければそういう漫画を手に取るわけで。
理想の王道展開を貫き、無駄なリアリティに色気を出さない。
ハイキュー!!のそういう姿勢に対して、とてもありがたさを感じました。
おわりに
ハイキュー!!は王道の結末を期待させて、滞りなくその結末を受け取れる漫画であったと思います。
そこで感じたのは退屈や息苦しさではなく、信頼や感謝でした。
本当に余計なものがなくて、極めて洗練されている印象を受けました。おそろしいハンドリング技術。
ハイキュー!!はある意味新鮮とは言えなくて、過去にあった数々の作品たちの歴史を感じさせる作品と思いました。
過去を学習したうえで作られた、ある種の集大成というか。ツボをよくよく理解している。
…まあ、実際はただの天才によって作られてるのかもしれませんが。私がその辺に無知なのは大目に見てくださいね…!
そういうわけで無料分のハイキュー!!(地方大会編まで)を読んだ感想記事でした。
ここまで読んでくださってありがとうございました。