岡崎泰葉の「楽しめること」と、その先の話
11月10日、ススメ!シンデレラロードにて岡崎泰葉が登場しました。
新規絵!デレステでの新規絵です!
今年の1月にSSRが出てから、「次の出番はけっこう待つことになるのかな…」と正直思っていたのですが、まさかこんなに早く来てくれるとは!ありがたい!
さらに今回はススメ!シンデレラロード(通称:スシロー)での登場ということで、5話に渡るコミュまで貰うことができました。
…で、本題なんですが、そのコミュというのが実は相当突き刺さるものだったんですよね。
なぜかというと、今回のコミュは(詳しくは後述しますが)岡崎泰葉のキャラコミュとも密接に関わる話だったからなんですよ。
筆者は岡崎泰葉のキャラコミュに対して個人的に色々と考えてることがありまして、今回わざわざそこに絡めた話をしてくれたのが本当に嬉しかったんですよね。
というわけで、今回のこの記事では
・スシローコミュがキャラコミュとどう繋がっているのか
・岡崎泰葉Pである筆者がそれらを読んで何を感じたのか
といった辺りのことを書いていきたいと思っています。
本記事を読むことで、今回のスシローコミュが岡崎泰葉Pにとってどれほど嬉しいものだったのか、多少なりとも伝われば幸いです。
よろしければどうぞお付き合いくださいませ。
キャラクターコミュのあらすじ
色々とお話をする前に、まずざっくりと岡崎泰葉のキャラクターコミュのあらすじを共有しておきたいと思います。
(既に分かってる人は軽く飛ばしておいてください)
岡崎泰葉はモデル部門に所属する、16歳にして芸歴11年のベテランでした。
ある日泰葉の仕事ぶりを見学していたプロデューサーは、 彼女が楽しくなさそうにしている姿を発見します。
それを本人に伝えると、泰葉は「芸能界で楽しもうとすることは甘え」と言い切ります。
プロデューサーは泰葉に「楽しめることを見つけよう」と返すのですが、泰葉からは無下にあしらわれます。
ところが、泰葉は後日プロデューサーを訪ねて来ました。
泰葉は「楽しめること」について納得できる答えを出せず、それが引っかかっていたのです。
泰葉はプロデューサーに詳しい話を聞かせて欲しいと言い、彼女のアイドル活動が始まりました。
アイドルを始めた岡崎泰葉は、自分自身を表現することに戸惑い続けました。
求められることに応えるばかりだった彼女は、これまで自分自身について考えることがなかったのです。
そんな泰葉に対して、プロデューサーはただ楽しんでやればいいと言います。
そのとき再び「楽しめること」について考えた泰葉は、かつて誰かの笑顔を見ることが楽しかったことを思い出します。
そしてコミュ4で再び自分を表現することに向き合った泰葉は、実際にアイドルの仕事をすることで何か確信を得たようでした。
「私の楽しめることは、誰かを笑顔にすることなんです!」
初ライブを終えた泰葉は、そんな風に喜びました。
そうして泰葉はプロデューサーに対して、改めてアイドルとしてプロデュースすることをお願いするのでした。
キャラクターコミュの違和感について
イイハナシダナー、というところではあるんですが…
ちょっと「あれ?」と思いませんでしたか?
(思わなかった人も、よかったら聞いてやってください)
実は岡崎泰葉のキャラコミュは、「答えが出てるようで出ていない」というところがあると個人的に思っています。
というのも、キャラコミュの泰葉は具体的な「楽しめること」については何も語っていないんですよね。
一つずつお話していきます。
まず、キャラコミュで泰葉が思い出した「誰かを笑顔にすることが楽しい」というのは確かに素晴らしいことではあるんですが、一方であまりに根本的な感情すぎて具体性に乏しいんですよね。
…身も蓋もないじゃないか!というツッコミはまあ、とりあえず置いときます。
もちろん「そんな素朴な感情すら忘れていた泰葉が、それを思い出せたのが尊いじゃないか」というのは分かります。
ただ、誰かを笑顔にするっていうのは、それ単体では実際に何をしたいのか全く伝わってこないんですよ。立派ではあるんですけどね。
例えば、笑顔にするということでお笑いを目指してもいいのかと言えば、泰葉に関してはおそらくそうではないはずなんです。
「笑顔にする」というのは大まかな理念みたいなものでしかなく、本当にふわっとした答えなんですよ。
そのうえで、そういった具体性のない方針である「笑顔にすること」を「楽しめること」の結論に持ってきてしまっているのが問題になります。
それを結論にしてしまうのは、いわば「私は自分の楽しめることが何なのか具体的には何も分かっていません」と言っているようなもので、何か分かったようであんまり分かっていない姿に思えるわけです。
プロデューサーが最初に「楽しめることを見つけよう」と言ったはずなのに、コミュ4の最後に至ってなおそこに決着がついてないのは「ん?」と個人的に感じてしまいました。
さらに言えば、「楽しめること」っていうのは本来もっと自己満足的な代物だと思ってまして。
誰かが笑顔になるとかならないに関係なく、楽しいものは楽しいじゃないですか。社会的に許されるか、とかはともかく。
そりゃ笑顔になってくれたら嬉しいし、プロとしてはお客さんを笑顔にしなきゃいけないんですが、「楽しめること」ってそれよりも前の、もっと個人的な感情から来るものじゃない?と思うんです。
なので、そういった意味でも、ただ耳触りの良い「笑顔にすること」を「楽しめること」にしてしまうのはあんまりしっくりこなかったんですよね。お行儀が良いのはそうなんですが。
そんなわけで、筆者は岡崎泰葉のキャラコミュに対して「続きの話が必要なはずだ」と考えていました。
彼女が実際にアイドルをやろうとしたときに、「笑顔にしたいのは確認できたけど、それで何をしようか?」となるはずだからです。
岡崎泰葉の楽しめることって、もっと具体的にどんなことなのか?
岡崎泰葉はアイドルとしてどんな仕事をしたいのか?
岡崎泰葉が評価に関係なくやってみたいことってなんなのか?
筆者はそういったところに彼女が向き合う姿が見て見たかったわけです。
ただ、個別のエピソードでは実際に色んな事を楽しんでいる泰葉を見せてくれるので、次第にキャラコミュのことはあまり考えなくなっていました。
また、メタな話にはなってしまいますが、そもそもエピソードが出てる時点で仕事は選ばれてしまっているわけで、そこに泰葉の選択が介入する余地はないわけです。
もちろん、まずは与えられるものをやってみて、そこから楽しいことを探すのが大事!というのは実際その通りなのです。
なので、色んなアイドルの仕事をやって、たくさん楽しいことを経験してくれればそれで良いのかな…と思い、それ以上先を望むこともなくなっておりました。
今回のスシローコミュはどんなお話だったのか
そしてこのたび、スシローコミュが登場しました。
まず、キャラコミュに続いてざっくりあらすじをお話したいと思います。話したいので。
今回のコミュは、岡崎泰葉がファンミーティングを行うというお話でした。
子役・モデル時代にファンと直接触れ合うことの少なかった岡崎泰葉にとって、ファンと触れ合う機会は特別なものでありました。
そういった事情もあって、今回の泰葉は強い意気込みで準備に臨みます。
ファンミーティングに企画の段階から関わらせてもらうことにした泰葉は、他のアイドルたちの仕事風景を参考にすることにしました。
蓮実ちゃんのひらめきでスイーツフェスに行ったり、バラエティー番組に参加したり。
今までちゃんと見てこなかったお仕事の姿を見て、勉強したり楽しんだりする泰葉が見られました。
そうして色々なお仕事に触れる泰葉でしたが、彼女の頭の中には、ファンミーティングの台本に書かれていたとある質問がずっと残っていたのです。
「これからどんなアイドルになりたいですか?」
定番も定番で、お約束のような何気ないこの質問。
珍しくもない、いつも通りの質問のはずなのに、泰葉はこの質問が頭から離れません。
ついには撮影の仕事中に流れを止めてしまい、共演者のアイドルたちを心配させてしまいました。
撮影が終わった後、泰葉を気にかけて悩みを聞き出そうとしてくれるアイドルが現れました。
それは服部瞳子さんでした。
瞳子さんに「アイドルとしてどうなりたいのか分からない」と話す泰葉。
笑顔にしたいという気持ちははっきりしているものの、アイドルには様々なやり方がある中で「どうなりたいか」「どうやって笑顔にするのか」、答えが出ない。
ファンに対してきちんと答えたいと思うが故に、悩んでしまっていたのです。
そんな泰葉に対して、瞳子さんは「無理に答えを出さなくていい。納得するまで考えていい」と言います。
泰葉の「なりたい」気持ちは泰葉のためにあることで、ファンもきっと悩んでいる泰葉を応援してくれるはずだと。
「ファンを信じてみましょう?」という瞳子さんの言葉で、アイドルは一人でするものではないことを泰葉は思い出すのでした。
そしてついにファンミーティングがやってきました。
滞りなく進行を続ける中、ずっと泰葉が悩んでいた質問が聞かれました。
「今後の意気込みや、将来の目標などありましたら、教えてください」
泰葉は素直な気持ちを明かしました。
今までどんなアイドルになるか考えてもいなかったこと、選択肢が多くて選べないこと、それゆえに「こうなります」と今は言えないこと。
そしてただ一つ、「みんなを笑顔にしたい」という気持ちだけははっきりしていることを伝えました。
そんな泰葉の正直な気持ちを、ファンは応援してくれました。
そして泰葉は、今度はファンの人たちに「なりたいこと」を聞くことにしたのです。
有名になりたいとだけ話す人もいれば、泰葉と同じように「なりたいこと」が分からない人もいました。
そんな中で、一人の小さな女の子が「なりたいこと」を話してくれました。
彼女の「なりたい」…それは「泰葉ちゃんみたいになること」でした。
歌もできて演技もできて、すごくかわいい岡崎泰葉みたいになりたい、と。
こんなに悩んでいる自分を見ても、「なりたい」と思ってくれる女の子がいることを知った泰葉。
ファンを信じて自分の気持ちを打ち明けてもいい…泰葉はそれに心から気づくことができたのです。
そうして気持ちを新たにした泰葉は、笑顔で次のお仕事に向かうのでした。
スシローコミュの感想の話
ちょっと長くなりましたが、ざっくりコミュの概要をお話ししました。
…いや、記事単体で完結させようとしたらこうなってしまいまして…その、楽しかったし…うん。
まあそれはそれとしまして。
キャラコミュと繋がっているという筆者の感覚、いくらか伝わってくれましたかね?
その辺りについて、筆者の感想も含め最後に書いていきたいと思います。
まず今回のコミュでいっっちばんありがたいと思ったのは、「『笑顔にしたい』だけだと、『なにをしたいのか』という壁にぶつかることになる」というキャラコミュでの課題を丁寧に描いてくれたことです。
いやまさか、ここまで踏み込んでくれるとは思ってませんでした。
誰かを笑顔にしたい泰葉ちゃんはいい子だね~みたいな、キレイだけどちょっと当たり障りのない感じで進んでいくのかと思ってたのに、これだけ悩ませてくれるなんて。本当に感謝感謝です。
そして本編での「どうなりたいか」という問いに対して、泰葉は「分からない」という答えを出しました。
この「『分からない』って答えを言えるようになった」という段階で収めているところが、ちゃんと質量を感じられて良いというか、今の岡崎泰葉の正直で素直な気持ちという感じがします。
泰葉が「どうなりたいか」という問いに対して答えを出せないのは分かり切っていたので、それを泰葉自身がどこまで認めて、どこまで外に表現できるのか…というのが見どころだったように思います。
その辺の塩梅が今回は本当に丁寧で、ありがてぇ…と言う他ありませんでしたね。
そして今回のスシローコミュでは一貫して、悩む泰葉がファンや他のアイドルと思いを共有できるというところも見せてくれていました。
カード名も【秋色シェア・ハート】ですし。
岡崎泰葉のように他者の期待や欲求を察知する人間というのは、大概よそ行きの仮面を分厚く作ってしまいがちです。
「そうすれば喜んでもらえるから」という思いの一方で、その仮面が評価されればされるほど、その仮面を手放せなくなっていきます。
人として、芸能人として、アイドルとして、プロとして、先輩として…そういった理由を自ら課していった結果、より一層仮面の下の自分は外に出せなくなっていくわけです。
評価と仮面が一致してしまうことで、仮面の無い自分には価値が無いと思いがちなのです。
だからこそ、今回の岡崎泰葉が悩んでいる自分自身をファンの前で明かすことができたのは、本当に大きなことなんですよね。
終わってみれば本人が言っていた通り「考えすぎ」だったわけですが、泰葉にとってはけっこう勇気を振り絞った結果だったのだと思います。
また逆の視点から考えると、アイドルのファンのように誰かを応援している人というのは、基本的にその人がその人であるから応援している…と筆者は考えています。
なので例えその人が完璧でなくても、ちょっとカッコ悪くても、失敗しても、その人が自分の応援している「その人」であるならば、応援することに変わりはないと思うわけです。
瞳子さんが言っていたことも、おそらくはそういう意図があってのことですよね。
そういった「応援する側の気持ち」は、ずっとステージに立ってきた泰葉にはある意味想像がつかない部分なのかもしれません。
そこから今回、ファンが応援する気持ちを確かに信じられたことで、泰葉はさらにアイドルというものに近づけたのかなと思います。
改めて、本当に良いコミュをいただけました。ありがとう…ありがとう…
おわりに
といったところで、岡崎泰葉は今回大きな前進をすることができました、ありがとうございました、という記事でした。
…ですが、それはそれとしてもっと先も見たくなってきたな?!?!と思ったりしていましたねw
カードの方の特訓後でも「夢を探しに行きましょう!」って言ってたし…ね?
新しくお仕事をするにしても、ちょっと自分の主張を混ぜてみるとか、あるいはGBNSとの会話でも少しだけ近づいてみるとか、そういうのがありそうじゃないですか!!!
もっともっと、「泰葉ちゃんそういうこともするの?!」みたいなシーンが見れそうじゃありませんか!
だからこう、強欲も強欲ではあるんですが、ものすっごくこの先の岡崎泰葉が見てみたくなりましたね…。Pの欲は尽きない。
そんな感じではありますが、今回も読んでくださってありがとうございました。
スシローコミュ、ありがとう!!!